平成10年11月15日号掲載分
◎増えるアトピー性皮膚炎・白内障など合併症に注意 (三木みどり)
アトピー性皮膚炎は日本の人口の3〜10%にみられるといわれ、年々増える傾向にあります。ところが、アトピー性皮膚炎に伴う眼合併症については、あまり知られていないのではないでしょうか。
眼合併症に、眼瞼(けん)炎、角結膜炎、円錐(すい)角膜、虹(こう)彩炎、白内障、網膜剥(はく)離などがあります。特に白内障と網膜剥離は、視力障害の原因になり、手術が必要になるので注意が必要です。
一般に、アトピー性皮膚炎は、幼児期、学童期に多く発症し、成長に伴って症状が軽減したり、消失する症例が少なくありません。
しかし、思春期以降になっても症状が続く場合は、白内障や網膜剥離を発症することがあります。とくに白内障の治療は、網膜剥離の合併が多く見られるため、注意が必要になります。
いずれにしても、若年層に多いこと、この年齢層は受験、就職、結婚、出産など、人生の重要な時期に一致すること、以降も良好な視力を維持する必要があるなど、重大な疾患だといえるでしょう。
アトピー性皮膚炎と疑われる場合、皮膚科だけでなく、眼科の診察も受けましょう。