平成11年3月15日掲載分
◎六十歳以上に多い白内障 眼科で定期的に検査を (丸尾 亨)
白内障は、目のレンズ(水晶体)が濁る病気です。白内障で多いのは、老人性のもので、六十歳を過ぎると多くの人に認められます。
軽度の場合、自覚症状はありませんが、症状が進むと視力が低下したり、まぶしさを感じたりします。一般的に、進行は遅いですが個人差があります。ほとんど進まない人から、生活に支障が出る程度まで視力が低下する場合もあります。
治療については、手術療法が一般的です。点眼薬は白内障の進行を遅らせる作用がありますが、視力の低下が著しい場合は手術しかありません。
最近では、混濁した水晶体の代わりに、人工水晶体を入れる手術が行われています。また、混濁した水晶体を超音波で破砕して、眼球外に吸引して取り出す方法もあります。この場合は、二、三日の入院で済み、外来手術で可能な場合もあります。
白内障は、老人性の場合だけでなく、若者でアトピー性皮膚炎に合併したり、糖尿病のために白内障が発症する場合もあります。
白内障は、悪性の病気ではありませんが、緑内障を合併したり、他の病気で視力が低下している場合もありますので、眼科で定期検査を受けたいものです。また、進行防止の点眼薬は、継続しなければ効果がありません。
眼科医とよく相談して、適切な治療と経過観察を受ければ、心配することはありません。