平成11年7月15日号掲載分
◎乳がんは早期発見で完治 普段から定期的な検診を (坂田哲啓)
乳がんは、日本人には少ないがんでしたが、戦後急増し、最近では、年間六千人の人が亡くなっています。近い将来、胃がんを抜いて、女性で最も多いがんになると考えられています。
乳がんが多くなってきた背景には、食生活の欧米化と女性の社会進出が関係しているといわれています。
乳がんに掛かりやすい人を「リスクの高い人」と呼び、条件として 1.四十歳以上 2.未婚 3.初産年齢が三十歳以上 4.閉経年齢が五十五才以上 5.標準体重より二〇%以上の肥満 6.良性の乳腺(せん)疾患の既往歴がある 7.乳がんの既往歴がある 8.乳がんの家系である − などが挙げられます。
症状としては、乳房のしこり、皮膚のひきつれ(エクボ症状)、乳頭の陥没、乳頭からの分泌物、乳頭の治りにくい湿疹などがあります。早い時期に見付かれば手術や放射線治療で、完全に治すことができます。少し進んだ時期でも、手術後のホルモン療法や化学療法(抗がん剤)で治すことができます。
乳がんは体表にできるため定期的チェックで早期に発見でき、完治できると言っても過言ではありません。検診は、苦痛もなく短時間でできます。リスクの高い人だけでなく、三十歳以上の女性は、定期的に専門医による検診を受けたいものです。