平成12年7月15日号掲載分
◎急増している前立腺がん 血液検査で早期に発見を (藤末 洋)
近年、前立腺(せん)がんが、六十歳以上の男性で急速に増加しています。米国でも、年間二十万人以上の人に前立腺がんが発見されています。年間の志望者数は、肝がんに次いで第二位となり、社会的に大きな問題となっています。
前立腺は、男性だけに有り、主に精液の一部を作っています。前立腺の病気では、排尿障害を起こしやすい前立腺肥大症がよく知られていますが、悪性腫瘍(しゅよう)としては前立腺がんが挙げられます。
前立腺がんの原因は、高脂肪食中心の食生活や男性ホルモンが関連しているのではないかといわれていますが、はっきりと分かっていません。
肥大症に比べて、初期症状が現れにくく、発見が遅れがちで、根治的治療を行うことが難しかったのですが、僅かな血液で、がんが発見できるPSA(前立腺特異抗原)が発見され、臨床に応用されて以来、この十年間で、完治する早期前立腺がんが飛躍的に増加しています。
保健センターでは、10年4月から、前立腺がん検診を行っています。基本健康診査を受診する六十歳以上の男性で、希望がある場合に、セットで実施しています。早期発見のためにも、ぜひ、検診を受けましょう。