平成14年5月15日号掲載分
◎ 激痛を伴う痛風性関節炎
尿酸値を減らし発作予防を (貴田 誠)
痛風の患者が増えています。痛風は、痛風性関節炎(痛風発作)といい、血液の中に尿酸が異常に増えたため、関節に結晶が出来、これを排除するために起こる炎症です。ネズミに足をかじられたほどの痛みがあります。
ゴルフをし、ビールを飲み、その夜中に足指の付け根が腫(は)れて痛くなり、苦しんだ話を良く聞きます。これは発作が起きる典型的な原因を表しています。
一、激しい運動。二、アルコールを飲む。三、痛風の原因となるプリン体を多く含んだ食品を酒類のつまみにした。この三点で、夜中に激痛を伴う発作を起こしたのです。
一キロメートルを全力疾走した場合、走る前には、血清の尿酸値は一デシリットル当たり六〜七ミリグラムだったのが、走っただけで八〜十ミリグラムに上がります。その上にビールを飲むと、六〜七時間後には十一〜十二ミリグラムにまで上昇します。
尿酸値は、三十六時間後に元通りに戻ります。尿酸値が、ピークになったときに痛みの発作が起こるようです。
以前、痛風の経験がある人が、定年になったのを機にスポーツジムに通い、激しい運動を続けました。尿酸値は
常に八〜九ミリグラムの高い数値を示しました。スポーツもほどほどが良いようです。また、常に尿量を多くし、尿酸を排せつすることを心掛け、発作を防ぎましょう。