平成16年7月15日号掲載分

◎ 年々増加する糖尿病患者 早期発見と正しい治療を (井関 吉博)

 糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に多くなる病気です。
 「インスリン」というホルモンの働きが悪かったり、分泌量が足りないことが原因となって、人間が生きていくためのエネルギー源となるブドウ糖を細胞内へうまく取り込めないことによって起こります。糖尿病に気付かなかったり、気付いていても正しい治療を続けなかったりすると、合併症を伴い、寿命を短くしてしまうこともあります。しかし、医師の指導で、食事療法や運動療法を行えば治る病気です。糖尿病の患者は、年々増えており、その背景には、飽食や美食、運動不足などの日本の豊か過ぎる生活が原因と考えられています。
 糖尿病の初期には自覚症状がなく、健康診断で血糖値が高いことが発見され、糖尿病と診断されます。糖尿病が進み、血糖値が高くなると、のどが渇く、多尿、身体がだるい、急にやせるなどの症状が見られます。
 さらに、放置して高血糖が続くと、全身を走っている血管の細胞に過度の負担を与えるため、身体のいろいろな所で、合併症が現れます。糖尿病症網膜症、腎症、神経障害は糖尿病特有の合併症ですが、白内障、緑内障、動脈硬化による心筋梗塞−こうそく−なども糖尿病によって起こりやすくなります。
 これらの合併症による死亡や障害は年々増加しているため、早期発見と正しい治療に努めたいものです。


メニューへ戻る