平成16年9月15日掲載分
◎頭や周囲が回るめまい多くは耳の病気が原因に (
北村 久雄)
めまいは、いろいろな原因で起こります。
特に、頭や周囲が回るめまいは、耳が原因で起こることがあります。
耳には、三半規管と耳石器があり、頭部の動きを感知しています。ここから前庭神経を通って脳幹と小脳の運動の信号が送られます。
三半規管、耳石器、前庭神経が病気になると、頭あるいは、周囲がぐるぐる回るようなめまいが起こります。
耳からくるめまいは、主に、メニエール病と前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症があります。
メニエール病は、めまいや難聴、耳鳴りを繰り返すのが特徴です。めまいは、数時間以内に治まります。吐き気が起こる場合があります。普通、難聴と耳鳴りはめまいの回復とともに治まります。
次に前庭神経炎は、めまいが数日続きます。通常数週間から数カ月で治まり、難聴や耳鳴りはありません。再発もありません。
良性発作性頭位めまい症は、頭の位置を変えたときにめまいが起こる病気です。安静にしていると、数秒から一分程度で治まります。動かすと再び起こりますが、繰り返し、頭の位置を変えることで治ります。
耳からくるめまいでは、意識障害や手足のまひなどの神経症状は起こりません。回復期は、注意しながら、頭や体を積極的に動かした方が早く治ります。