平成16年11月15日掲載分

◎皮膚にも冬対策が必要です スキンケアで良好な状態に ( 杉町 朋子)

 朝夕が冷え込み、衣服も寝具も冬支度となりますが、わたしたちの身体を覆う皮膚も冬対策が必要となってきます。

 皮膚の構造は、表面から表皮、真皮、皮下組織に分けられ、表皮はさらに五層構造になっていて、一番外側の角層は細胞がレンガの壁のように積み重なり、外からの刺激に対しバリアの役目を果たします。また、この細胞間を埋めつくす物質は水分保持の作用があり、体内からの水分や栄養分が逃げるのを防ぎ、一方、外からの物質や病原体の侵入も防止します。これを皮膚のバリア機構といいます。冬になると空気が乾燥し、室内も暖房で乾燥が進みます。この環境では、角層の水分量が減少し皮膚がカサついてきます。この状態を「ドライスキン」といい、皮脂の少ない小児や高齢者はこの変化が生じやすいのです。

 ドライスキンを防ぐには、まず部屋の湿度を保ちます。加湿器の利用や湿らせたタオルを部屋に干すとよいでしょう。次に入浴時はタオルでゴシゴシ洗うと皮膚を傷めますし、熱い湯での長湯は皮膚を刺激したり、かゆみの原因となるので注意が必要です。入浴後は、清潔になった皮膚にワセリンや乳液、クリームなどを塗ってすばやく油分を補います。角層の水分を保持する各種保湿剤(尿素、ヒアルロン酸、コラーゲンなど)の利用も効果的です。このようにドライスキンを防ぎ正しいスキンケアを行うとバリア機構が保たれ、皮膚が良好な状態になります。


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