平成18年7月15日号掲載分
◎ もしかして糖尿病なのでは? 生活習慣を見直すことが必要 (
阪本 哲一)
糖尿病は、膵(すい)臓から分泌され血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンの作用が不足し、血糖値が上昇しておこる病気です。多くは無症状で経過しますが、長期にわたり高血糖が続くといろいろな合併症を引き起こします。
肥満・過食・運動不足が続くと、インスリンの効き目が悪くなります。はじめは血糖を下げるためにインスリンを多く分泌することで対処しようとします。それでも下がらなければ、さらにインスリンの分泌を多くするといったことが繰り返されます。やがて血糖を下げ切れなくなり、まず食事直後の血糖が高くなりはじめます。その高血糖のためインスリンの効きが悪くなり、なかなか下がらず、次の食事前の血糖が上昇するといった悪循環が繰り返されます。こうして朝食前の空腹時に血糖が上がり、検診で指摘されるようになります。
ここまで経過するには、すでに発症してから五〜十年が経っている可能性が高いといわれています。
「毎年の検診では大丈夫」「糖尿病なんか関係ない話」と思わないで、生活習慣を見直してみませんか。知らず知らずのうちにこの悪循環に足を踏み入れていないでしょうか。だれでも、また子どもですら肥満・過食・運動不足に陥りがちな現代社会。時折、「もしかして糖尿病?」という意識をもって生活習慣を見直すことが必要なのではないでしょうか。